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獣医師の平均年収紹介!開業医との年収の違いとは?

2024/11/08

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獣医師と聞くと、給料が高いイメージがありませんか? 獣医師の資格は国家資格であり、動物の命を扱う仕事であることから一般のサラリーマンより平均年収は高い水準にあります。

この記事では、獣医師の平均年収を年代別、性別、職種別など様々な方面から読み解きます。 将来獣医師を目指す方や、転職を考えている方の参考になれば幸いです。

獣医師の平均年収

令和5年賃金構造基本統計調査によると獣医師の平均年収は約561万円と発表されています。
一般給与所得者の平均年収は約458万円といわれていることから、世間的にみると高収入であると言えます。しかし、これらは年齢や性別、勤務先の規模などで大きく変動します。 まずは年代別に平均給与を見てみましょう。

年代別

年代別の平均年収は以下の通りです。 以下の数値は、年間賞与及びその他特別給与額も含まれています。

年代 平均年収
20代前半 3,435,000円
20代後半 4,223,850円
30代前半 5,147,100円
30代後半 5,981,000円
40代前半 6,977,000円
40代後半 7,146,100円
50代前半 8,465,400円
50代後半 7,008,350円
60代前半 4,787,400円
引用:令和5年賃金構造基本統計調査_結果の概況

年代別に見てみると、50代前半の獣医師の平均給与が一番高くなっています。 また、年代が増えるごとに年収が上がっていますが、50代後半から下がり始めることも分かります。 次は性別ごとの平均年収を詳しく見ていきましょう。

性別

令和5年賃金構造基本統計調査によると、男性獣医師の平均年収は約630万円であることに対して、女性獣医師の平均年収は約490万円となっています。

女性と男性の年収が大きく開いている要因として考えられることは、結婚や出産、育児などが理由で一度離脱した後、ブランクがあるなか再就職をする方も少なくない為比較的平均給与が少なくなっていると考えられます。

企業規模別

それでは、規模別の年収についてもご紹介いたします。 企業規模は10人から99人、100人から999人を比較していきます。

10人から99人 100人から999人
年代 平均年収 年代 平均年収
20代 3,829,425円 20代 4,453,400円
30代 5,564,050円 30代 4,866,233円
40代 7,061,550円 40代 6,849,400円
50代 7,736,875円 50代 6,300,000円
60代 4,787,400円 60代 6,298,050円
引用:令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況

規模別に平均年収を見てみると、どちらも30代から40代に大きく年収が変動しています。 また、従業員数が少ない企業の年収については60代になると年収が大きく下がっています。比較して従業員数が多い企業では年収が百万単位で落ちていないことが分かります。

経験年数と年収の関係

獣医師の年収は経験年数に大きく依存します。一般的に、経験年数が増えるに従って年収も上昇する傾向があります。 これは、経験の積み重ねによって獣医師としてのスキルや知識が向上し、より高度な診療や手術が可能になるためです。

また、経験豊富な獣医師は信頼性が高く、飼い主や動物病院からの評価も高まります。具体的には、新卒の獣医師の年収は大体300万円から400万円の範囲内ですが、5年から10年の経験を積むと500万円以上に達することが多いです。さらに、15年以上の経験を持つベテラン獣医師の場合、年収は700万円から1000万円に達することもあります。

このように、経験年数が年収に与える影響は顕著であり、長期間にわたって同じ職場で働き続けることで安定した収入を得ることが可能です。 しかし、昇給制度や評価制度が整っていない職場で働き続けても年収は上がりません。

最近では、自分のスキルで給料がどの位もらえる可能性があるのか診断するツールが見られます。 今の職場に相談をしても年収が上がらない場合には、転職を視野にいれることもおすすめします。

開業獣医師の年収とは?

開業獣医師の年収は、経営センスとマーケティング力によって大きく変動します。 開業した獣医師の平均給与は600万円から800万円程度と言われています。

しかし、開業してから軌道に乗るまでの2年以内までは安定した収入が見込めないことが考えられます。経営が安定して軌道に乗った際には年収が1000万円を超えることもあり、勤務医としての給料より稼げる可能性があります。

ですが、開業にはリスクも伴うため注意が必要です。 例えば、高額な開業費用がかかる点や勤務医時代には培うことのできない経営スキルやマーケティング力を問われる点がリスクとして挙げられます。 開業するには、入念な準備をかさねて自身が目指すキャリアプランを明確にすることが必須となるでしょう。

獣医師の勤務先別の年収

獣医師の年収は、その職種によって大きく異なることが知られています。以下では、動物病院勤務、企業勤務、国家公務員獣医師の各職種における年収について詳しく見ていきます。

動物病院勤務

動物病院で勤務する獣医師は、犬、猫のほか小動物や鳥類などの幅広い種類の動物診療を行います。この職種は、一般的に年収が比較的低めとされています。新卒の獣医師の場合、年収は300万円から400万円程度が一般的です。

その後、経験を積むことで年収が上昇し、10年以上の経験を持つベテラン獣医師では、年収が600万円から1,000万円に達することもあります。

しかし、都市部と地方での給与差が大きく、都市部ではより高い年収が期待できる一方、地方では低めに設定されていることが多い傾向にあります。

企業勤務

企業勤務の獣医師は、製薬会社やペットフードメーカーなどで働きます。 この職種は、研究開発や品質管理など多岐にわたる業務を担当します。企業勤務の獣医師の年収は、動物病院勤務に比べて高めに設定されていることが多く、初任給でも400万円から500万円程度が一般的です。経験と実績を積むことで、管理職や専門職としてのポジションに昇進し、年収が700万円から800万円、さらにはそれ以上に達することもあります。

また、企業によっては業績連動型のボーナスが支給されることもあり、年収に大きく影響する要因となります。

農林水産省、厚生労働省などの行政機関勤務

国家公務員として働く獣医師は、主に厚生労働省や農林水産省などの行政機関で勤務し、動物の健康管理や食品安全に関する業務を行います。

国家公務員の給与は、法律に基づいて定められており、安定した収入が得られるとされています。初任給は約350万円から400万円程度ですが、定期的な昇給やボーナスが支給されるため、年収は経験とともに増加します。特に、課長クラス以上の管理職に昇進すると、年収が600万円から800万円程度になることもあります。

また、公務員ならではの福利厚生や退職金制度も充実しているため、長期的な安定を重視する人にとって魅力的な職種です。このように、獣医師の年収は職種によって大きく異なり、それぞれの職種には独自のメリットとデメリットがあります。自分のキャリアプランやライフスタイルに合った職種を選ぶことが重要です。

獣医師の年収に影響を与える要素

ここまで、年齢や企業規模により年収が変動する点や開業することや就職先の種類にて年収が変わることを解説してきました。 実は、まだまだ年収に影響がでる要因があるのです。

地域による年収の違い

獣医師の年収に大きく影響を与える要素の一つに、勤務する地域があります。 都市部と地方では生活費や需要の違いが大きく、これが年収に反映されます。

例えば、都市部では高い生活費を補うために給与が高めに設定されることが一般的です。特に東京、大阪、名古屋などの大都市圏では、動物病院の数も多く、競争が激しいため、給与水準が高くなる傾向があります。

一方で、地方における獣医師の年収は都市部と比較して低めの傾向があります。 地方では動物病院の数が少なく、需要も都市部ほど高くないため、給与もそれに応じたものとなります。

しかし、地方では生活費が都市部に比べて低いため、実質的な生活の質は必ずしも低くなるとは限りません。地域ごとの特性を理解し、自分のキャリアプランに合った選択をすることで、満足度の高い生活を送ることができるでしょう。

専門分野による年収の違い

獣医師の年収には専門分野による大きな違いが見られます。 まず、小動物診療を専門とする獣医師と、大動物診療を専門とする獣医師とでは年収に差があります。

小動物診療は都市部での需要が高く、飼い主がペットにかける費用も多いため、比較的高収入を得やすい傾向にあります。 一方で、大動物診療は農村部や郊外での需要が中心であり、収入もそれに比例して低めになることが一般的です。また、専門診療科に特化した獣医師も高い年収を得ることができます。

例えば、眼科、皮膚科、腫瘍科など、特定の診療領域に特化した獣医師はその専門知識と技術を活かして高額の診療費を請求できるため、一般的な獣医師よりも高収入を得ることが可能です。また、これらの専門分野は需要が高いため、都市部の高度医療センターなどで働く機会も多く、結果として年収が高くなる傾向にあります。

最後に、国際的な獣医師として活動する場合も年収に影響を与えます。 国際的な機関やNGOで働く獣医師は、その専門知識と語学力を活かして多国籍な環境で活動することが求められます。これにより、通常の獣医師とは異なる報酬体系や手当が適用されることが多く、結果として高年収を得ることが可能です。

以上のように、獣医師の年収は地域や専門分野によっても大きく異なることが分かります。 それぞれの分野で求められるスキルと需要のバランスが、年収の差を生み出しているのです。 では、獣医師が年収を上げるためには、どうすればよいのでしょうか?

獣医師が年収を上げるためには?

この章では、獣医師が年収を上げるために必要なポイント3つについて解説していきます。

スキルアップ

獣医師が年収を上げるために最も効果的な方法の一つがスキルアップです。 スキルアップには専門知識の深化や新しい技術の習得が含まれます。

例えば、特殊な外科手術の技術を身につけることで、他の獣医師との差別化を図ることができます。さらに、認定資格の取得も年収アップに寄与します。日本獣医師会が提供する各種認定資格や、国際的に認知された資格を取得することで、専門性が高まり、信頼性のある獣医師として評価されるでしょう。

スキルアップは技術面だけではありません。獣医師として年収を上げるためにはコミュニケーションスキルも見逃せません。飼い主との信頼関係を築くためには、単に医療技術だけでなく、分かりやすい説明や親身な対応が求められます。カウンセリング技術やコミュニケーション能力の向上にて、飼い主の満足度を高め、リピーターを増やすことができます。

最後に、リーダーシップスキルの向上も考慮すべきです。チームをまとめる能力や、クリニック全体の運営管理スキルを高めることで、より大規模な施設での勤務や、管理職ポジションへの昇進が見込めます。これにより、基本給やボーナスの増加が期待でき、年収アップにつながるでしょう。

開業する

開業をすることも年収を上げる有効な手段と言えます。 特に、動物病院やクリニックを自身で経営することで、収入の上限がなくなるため、成功すれば大幅な年収アップが期待できます。開業医としての年収を増やすための具体的なステップやポイントを紹介します。

まず1つ目に、立地の選定が非常に重要になります。需要の高い地域やペットの飼育率が高いエリアに開業することで、顧客の獲得が容易になり、収益を安定させることができます。また、競合の少ない地域を選ぶことも成功の鍵です。市場調査をしっかり行い、需要と供給のバランスを見極めましょう。

次に、診療内容の充実と専門性の確立が収益向上に直結します。一般的な診療だけでなく、特定の専門分野に特化することで、専門性の高い治療を求める飼い主からの信頼を得やすくなります。例えば、エキゾチックアニマル専門や、特定の疾患に特化したクリニックなど、他の病院にはない強みを持つことで差別化を図ります。

エリアの選別および専門を決めたあとは、マーケティングに力をいれることも収入を上げるために必要となります。SNSやウェブサイトを活用して、地域のペットオーナーに向けた情報発信を行うことで、認知度を高めることができます。口コミやレビューを積極的に活用し、顧客の信頼を得ることも重要です。

さらに、地域イベントへの参加や、ペットショップとの提携など、コミュニティとのつながりを強化することで、リピーターを増やすことができます。開業にはリスクも伴いますが、ポイントを押さえることで、年収を大幅に向上させることができるでしょう。

転職する

今の勤務先では給料が全く上がらないといった場合には、転職を視野にいれることも収入を上げる方法となります。転職によって新しい環境での経験を積むことができるだけでなく、より高い給与を提供する職場を見つけられる可能性があります。自分が納得する転職先を見つけるためのポイントをご紹介します。

まず、自分のキャリアプランを明確にすることが大切です。どのような専門分野でキャリアを積みたいのか、どの地域で働きたいのか、地域医療または高度医療のどちらを行いたいかなど、自分のやりたいことを明確にしましょう。キャリアプランを明確にすることで、納得のいく転職活動に近づくことができます。

次に、現在の市場価値を把握するために、他の獣医師の給与水準を調査しましょう。業界内の求人情報や給与調査レポート、年収診断やスキル診断を活用して、自分のスキルと経験がどの程度の価値を持っているかを確認します。これにより、転職時に適切な給与交渉ができるようになるほか、今の職場で自分はスキルに合った適正金額を貰えているのかが明確になります。

さらに、転職活動を始める前に履歴書や職務経歴書を作成し、面接対策を行うことが重要です。自分の強みや業績を具体的にアピールできるように事前準備をしましょう。自分の強みが分からない場合には、業界知識豊富な転職エージェントに相談することも必要です。転職エージェントは様々な方の転職をサポートして、履歴書や職務経歴書の添削を行っているためうまく活用することで、転職活動をスムーズに行うことができます。

また、給与だけでなく福利厚生や労働環境も考慮することが重要です。高い給与を提示されても、労働時間が長すぎたり、職場の雰囲気が悪かったりすると、長期的には満足できない可能性があります。しかし、あまりにも自分の理想の条件が多すぎても理想の病院が見つからず、ダラダラと転職活動を行うことになってしまいます。自分の理想とする条件を洗い出し、その条件に優先順位をつけることが重要です。

理想の病院を探す手法としては、求人サイトを見に行くことや、行きたい病院が決まっているのであれば病院のHPを訪れる方法があります。業界専門の求人サイトでは、自分の希望条件にてマッチする病院を絞り出すことができます。 しかし、求人サイトでは、病院の雰囲気まではつかむことができません。入社後の理想と現実のギャップを少なくするためには転職エージェントをうまく活用して事前実習や病院見学を頼むことも納得のいく転職活動を行うための鍵となります。 以上のポイントを押さえ、計画的に転職活動を行うことで、獣医師としての年収を効果的に上げることができるでしょう。

獣医師の平均年収 -まとめ-

この記事では、獣医師の年収の実態や、年収を上げるためのポイントについて解説しました。 総じて、獣医師が高収入を目指すためには、戦略的にキャリアを築くことが重要です。これらの情報を基に、自身のキャリアプランを見直し、具体的な行動に移すことで、より高い年収を実現することができるでしょう。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。